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HOBIE SURFBOARDS JAPAN 代表
井上雅昭氏 インタビュー Vol.3
~ロングボード改革とワイドテールノーズライダー~

HOBIE女性ライダー ジョイス・ホフマン氏
(photo by HOBIE SURFBOARDS JAPAN)

※ジョイス・ホフマンは、女性で初めてハワイのパイプをメイクし、全米チャンピオン、マカハインビテーショナルチャンピオンに輝いている。

(Vol.2の続き)

WSLロングボード部門の改革

[Web Media AO, 以下AO] フィル・エドワーズシグネチャーモデルですとか、バー・オブ・ソープですとかドリームフィッシュ、このあたりが一番代表的なホビージャパンさんのボードになるという事ですね。お薦めと言うか、注目のモデルと言うと何かご紹介いただけるものは有りますか?

[HOBIE JAPAN 井上雅昭氏、以下HB] はい、そうですね。代表的なボードとしてはそうです。ですけども、お薦めっていうのは、その人その人、サーファー一人一人によって、違ってくると思うんですよね。

[AO] 違いますよね。なので、そういう意味だと例えば特定のケースに、例えば初心者の方にはこれをお薦めしますとか、お薦めっていうと、その人その人で違う形になってしまうと思うんですけど…。

[HB] 一人一人のサーファーの経験値と考えていることと憧れていること、目指していることによって全然違って来ますからね。

[AO] おっしゃる通りです。

[HB] 初心者にはこれですっていうのは無いし、うちは特にそういうお薦めはしないように心がけています。波も違いますしね、場所によっても日によっても。

[AO] そうですね。サーフィンって人それぞれ方向性が違う多種多様なものだと思いますので、なので、例えばそのいろいろなケースの中でも、実はこういうケースでお薦めできるんですよっていう、何か注目すべきものがもしあれば。

[HB] そういう意味ではですね、先ほどから言っているフィル・エドワーズモデルなんてホビーを代表するモデルなので、ぜひ乗ってもらいたいものではありますし、バー・オブ・ソープやドリームフィッシュも、もちろんタイラーを代表するモデルなので乗って頂きたいです。でも、今2020年っていう事で言うと、ホビーでサゴマイザー( Thagomizer )っていうロングボード、モデルがありまして、これが注目のモデルなんです。

これは2020年代を代表するモデルになるのではないかと思われる形をしてるんです。どういうことかと言いますと、去年2019年のWSL(ワールドサーフリーグ)のロングボードのカテゴリー、これって2018年までずっと続いていたものとガラッと変わりましたよね?

[AO] そうですね、パフォーマンス中心の採点だったものからクラシック的な乗り方中心の採点になったという事ですね。

HOBIEライダー コーキー・キャロル氏のノーズライディング
(photo by HOBIE SURFBOARDS JAPAN)

※コーキー・キャロルは60年代から70年代に、活躍したホビーのライダーで全米チャンピオンに3度輝いている。

最新の潮流 ワイドテールノーズライダー

 [HB] はい。デヴォン・ハワードさんがコンテストディレクターについて、今までのロングボードの、ロングボードってこういう物じゃないでしょっていう、ロングボードってやっぱり古き良き物でっていうような所から、点数の付け方をガラッと変えたんですよね。

で、僕らもWSL今はもうネットでリアルタイムで見れるじゃないですか。それを見て衝撃を受けていたんですけれども、その前の年まで物凄いパフォーマンスサーフィン一辺倒のルールだったのが、板をどんだけ当て込んで動かしても全然点数が入らなくて、ノーズライディング、ハングテンをディープな所で長時間する、そこだけに点が入ってるんですよ。

そういうサーフィンに世界の基準が変わっちゃったんですよね。あんまり騒がれていないけど、これ大改革だと思うんです。ロングボードの世界では、物凄い事だったんですよ。点数がハングテンにしか付かない、ノーズライディングにしか付かないぐらい極端に言うとそうなので、サーファー達もやっぱり乗るボードを変えてきてるんですね。もちろんノーズライダーなんですけれども、昔ノーズライダーっていうのはノーズが大きかったんですよ。

でも、今のトレンドのノーズライディングっていうのは、テールを波にロックしてノーズを浮かせる、でノーズエンドに長時間いるっていう流れになっていて、そのWSLで見ていたパソコンの中の映像でもそうだったんですね。去年鵠沼で行われたDUCT TAPEでもそうだったんですけど、乗ってるボードみんなテールが凄い大きいんですよ。半端じゃない位凄い大きいんですね。で、ノーズはそんなに大きく無いんですよ。

[AO] ピッグ的な感じという事でしょうか?

[HB] そうですね、ただピッグよりも直線的で、ピッグって丸っこい感じで、後ろにボリュームがあるじゃないですか。後ろ、テールもちょっと丸み帯びてる感じなんですけどでも、最新のトレンドの方は、ちょっとノーズ細目だけど凄い両サイドストレートでテールががっつり大きくて四角い感じなんですね。これは、もう世界のトレンドなんですけれども。

[AO] なるほど。

ホビーのサゴマイザーモデル

[HB] その最新のトレンドを、一早くホビーもモデル化して出しています。先ほどのサゴマイザーというモデルで、テールが凄く大きいんです。各シェイパーがそういう物を作ったりしています。やっぱりテールを大きくしたら、レイルのセットが出来て、テールもホールドしてくれて、凄くノーズライディングがし易いんですけど、ターンが凄く難しいっていうのが一般的なんです。でも、このサゴマイザーっていうホビーのモデルに関しては、テールが凄く大きくてノーズライディングが凄く良いのに、ターンも思ったより全然できるボードです。そこが凄い点です。

サゴマイザー
(photo by HOBIE SURFBOARDS JAPAN)

[HB] サゴマイザーは、世界的に大きな潮流になっているワイドテールノーズライダーのモデルです。アウトラインは、ノーズは丸みを帯びた広い形状で、テールはシモンズのバー・オブ・ソープを思い出させるほどにワイドなテール形状です。テールの広さから、ターンが難しいと想像してしまいますが、テールを踏み込むピボットターンをすると、実際は想像ほど難しくはありません。テイクオフが早いためです。その分ターンを準備するための時間が十分取れることで、ターンも思ったよりは、し易くなっています。

走りに関しては、薄めのコンケーブによりドラッグ感(ノーズライダー特有の減速感)が少なく、加速性が良いので、気持ちよく滑走することが可能です。ノーズライディング時には、通常のノーズライダーより間違いなく長時間ノーズにステイ出来ます。波が崩れ終わるまでノーズにステイすることが可能になります。また、ハングテンのブレもなく、ステップバック時の不安定感を極小化しています。

スーパーノーズライディングの世界

[HB] サゴマイザーの凄さは、ノーズライディングの後半に特に感じられます。ノーズライディングの開始時には、他のノーズライダーモデルと同等に感じられますが、後半、波が崩れそうになった時のステップバックが遅れてもブレが有りません。安定したステップバックが出来るので、ギリギリの状況までノーズライディングを粘ることが可能になります。それは、波が崩れる瞬間や、崩れた後に特によく感じられ、テールに水が乗って完全にロックしているような印象を受けます。

もっともっとノーズにステイしたいという気持ちになることが出来るボードです。その先には、カニエラ・スチュワート(Kaniela Stewart)がDUCT TAPEで見せたようなスーパーなノーズライディングの世界が待っているかもしれません。

カニエラ・スチュワート氏のノーズ・ライディング
(by Kaniela Stewart INSTAGRAM)

[HB] 普通にピボットターンが出来れば、十分に楽しめるミラクルなボードで、上級者専用という感じではありません。ですので、ノーズライディングが得意な方や、目指す方には騙されたと思って乗ってもらいたいですね。とてつもないポテンシャルをこのボードから感じるはずです。今2020年お勧めしたいボードって言うと、サゴマイザーを僕は今押したいですね。

[AO] 今のトレンドに合っているんですね。

[HB] そうですね、トレンドと、世界のルールで大きく変わったレギュレーションに非常に合っているボードが出ています。

[AO] こういう形のボードは、一般的な名前はあるんですか?ピッグとかスピードシェイプみたいに…。

[HB] 無いですね。簡単に言うとワイドテールノーズライダーなんでしょうけども。というしかないですね。カテゴリーは無いです。何かこれから付くかもしれませんね。

アートかつ日本品質ウェットスーツ レトロスペクティブ

[AO] そうなんですね。まだまだこれからのボードという事ですね。ウェットスーツはタイラー・ウォーレンさんのレトロスペクティブウェットスーツをメインに取り扱われていますよね。

[HB]タイラー・ウォーレンが手で書いたデカールを、マークのようなものをいくつか用意しているので、アートをウェットスーツにこう付けるような雰囲気ですよね。なんとなくただのロゴっていうのをポンと付いている感じではなくて、手書きのアートをロゴにしちゃってるんですね。

[AO] 着心地は如何ですか?

[HB] そうですね、世界の話で言うと日本のウェットスーツって、やっぱり世界ナンバーワンなんですよね。

[AO] 言われますよね、品質が一番良いっていう。

[HB] はい、ゴムもそうだし、立体の裁断もそうだし、タイラーはものすごい気に入って着てます。純国産で日本で作っている生地を使って、30年以上やってる職人が作ってますのでクオリティとしては、もう間違いないですよね。

[AO] このレトロスペクティブウェットスーツっていうのはタイラー・ウォーレンさんとタイアップして、日本で製造してそれを日本とかアメリカに輸出されてるんですね。

[HB] アメリカ本国では生産されて無いです。全部日本製、Made in Japanです。

[AO] ウォーレンさんのデザイン性とMade in Japanの品質が合体して、良いとこどりになったみたいな感じですね。

[HB] そうですね。

映画「エンドレス・サマー」に登場するHOBIEのサーフボード
(photo by HOBIE SURFBOARDS)

全てのタイプのサーフィンの楽しさを見出し、楽しむ

[AO] 井上さんの、普段のサーフィンのスタイルを教えて頂けますか?

[HB] 僕自身も、先程のタイラーの話じゃないですけれども、何か一つに偏らない、サーフィン…大括りのサーフィンを楽しむようにしているんです。というのもやっぱりロングボーディングからミッドレングス、ショートボードまで含めてですね、その日の波に合ったボードチョイスをしながら、そしてどんなボードでも、うちで販売しているタイプの物はやっぱりしっかり乗れないと、売ってる人が乗れないとちょっとまずいので。

よくいますよ、ロングボードのプロがやってるお店でバリバリのショートボード乗ったら乗れないなんて人もいたり、バリバリのショートのプロはロングボードのクラシック乗れないとかあるけども、僕とウチのスタッフもそうなんですけれども、どのタイプもそういう何かに長けたプロほどじゃないんですけれども、どれもこれも全部のタイプのボードが、まぁまぁそこそこしっかり乗れるようにしてます。乗れるようにしてるのと、そういう全てのタイプのサーフィンの楽しさを見出すようにして、それを楽しんでますね。

[AO] なるほど。

[HB] やっぱりサーフィンって人それぞれですよね。コンペティターもいると思いますし、陸だけの人もいると思いますし、やっぱり楽しんでなんぼですし、人それぞれに合ったサーフィン、そして波に合ったサーフィン、波に合ったサーフボード選びも含めてですけれども、そういう風にオールラウンドに幅広く何でも出来るようにしたいし、それを勧めるようにもしていますね。

いきなりサーフボードビジネスに顔突っ込む

[AO] いろいろなタイプのボードに乗られて、いろいろなタイプのサーフィンを楽しまれてるんですね。サーフィンはどれくらい長くされてるんですか?

[HB] そうですね、何年ですかね…30年超えて33年って感じですかね。

[AO] 元々は湘南のご出身でいらっしゃるんですか?

[HB] 最初は千葉なんですよね。こっちは…学生の頃千葉だったので、社会に出てからこちらへ、湘南へ来るようになりましたね。別の仕事をしてて、さっき言ったタイミングでいきなりサーフボードビジネスに顔突っ込んだみたいな感じです。

[AO] そうなんですね(笑)

[HB] そこから20年(笑)

[AO] 先程のお話ですと、HOBIE DESIGNを始められる前から、サーフボードビジネスをされてたということだと思いますが、複数のサーフボードを先ず取り扱われて、2年位経ってからHOBIE JAPANメインに移されたということですか。

[HB] そうですね。

[AO] 最初は、思い切りというか決断が必要だったんじゃないですか?

[HB] そうですね(笑)ただ、このHOBIEのブランドを取れた時点でこれはいけると思いました。そうじゃないとね、こういう強力なものが無いと、今ただただ普通にやってても難しい時代じゃないですか。

カリフォルニアの海

[AO]海に入る場所は、湘南近辺が多いですか?

[HB] そうですね、もう鵠沼ばっかりですね。

[AO]トリップとかも行かれますか?

[HB] 前は、国内も良く行ったんですけども、今そんなに足運ばない感じで。カリフォルニアにはもちろん行きます。最初の頃はもう少し頻繁に行ってましたけど、今は年一で行っていますね。

[AO] ホビーの本社を訪問されるためにですね。

[HB] そうですね、向こうでカリフォルニアを色々案内してもらって。

[AO] カリフォルニアと鵠沼だと、サーフィンスポットとして違いはいかがですか?

[HB] 最初のうちはね、向こうに行ったら必ず波が良いと思ってたんですけど、やっぱりダメな時もありますね(笑)

[AO] そうなんですね(笑)

[HB] 世界各国そうなのかななんて最近は思ってます。当たる時は当たるし、当たらない時は当たらないのかなんて思いますけど。

[AO] 波高い時は高いんですか?

[HB] 大きい時は大きいですよね。パワーが全然違いますよね。でも無い時もあるんですよね。無い時ってないのかなって思ってたんですけど、ありますね(笑)。

[AO] そんな時はぶらぶら観光みたいになっちゃうんですかね。

[HB] そうですね(笑)後はそうだな、日本と違うのは…日本の方がやっぱり、ローカリズム強いですよね。カリフォルニアもありますけれども、あそこまで無いかなって感じはしますよね。後は、さっきは無い時もあるって言いましたけど、日本に比べたら豊富だとは思います。あるポイントブレイクの所なんかも、いるときはいますけれども、日本ほど混んでないですね。

映画「エンドレス・サマー」に登場するHOBIEのサーフボード
(photo by HOBIE SURFBOARDS)

自然の中で手のひらで遊ばせて貰っている

[AO] 海や自然に対して何か思う事が有れば、教えてください。

[HB] まぁサーフィンやってると分かるんですけど、台風とか来て波大きくなったりして、大きい波乗ろうと思ってチャレンジすると、やっぱりゲッティングアウトする時とか物凄い辛いじゃないですか。やっぱり自然て物凄いじゃないですか、力が。いろんな意味でのパワーが有りますよね。

自然に対して人間ってちっぽけなもので、地震があったらだめだし、津波があったらみんなあんな状態になっちゃうし、その自然の中でやっぱりちっぽけな我々は遊ばせてもらってるのがサーフィンであり、例えば日光浴するでも散歩するでも、自然を享受する事だと思います。

自然には逆らえないので、自然に人間が適応して対応して、例えば簡単に言ったら雨が降ったら傘をさしますし、波がこういう波だったらこういうボードに乗るとかにも繋がりますし、小さい波ならロングボードでゆったり乗るとか、ハードな波ならショートボードでバリバリ乗りましょうとか。自然には従うほかは無いなって思います、僕は。自然に逆らってはいけない。自然の中で手のひらで遊ばせて貰っているのが人間だな、なんていう風によく思いますね。

[AO] 自然の偉大さの中では、人間っていうのはちっちゃなものだなっていう、何か謙虚な気持ちを感じることがある、という事ですかね。

[HB] もう、物凄いありますね。

期待と緊張を行ったり来たり

[AO] 台風の時にサーフィンをするっていうのは、なかなかやはり上手い人じゃないとできないと思うんですけど、そういう時はどんな感じでしょうか。

[HB] サーファーを長くやってる人だとみんなそうだと思うんですけど、まず台風が出来たとか、台風接近してきます、うねりが何日から入ります、いろんな波情報とかを見て、うねりの入ってくる映像を見たりしてワクワクします。それと同時に、その段階から例えば三日後にうねり入ってくるよとかって、例えば三日後だ二日後だ明日だ、もうその段階からもの凄い緊張しますね。

[AO] なるほど。

[HB] どれだけやってもやっぱり緊張しますね。期待と緊張がつきもので、やっぱり危ないから怪我しちゃいけないし、遭難したりして人に迷惑かけちゃいけない。そういう危険な状態と、本当にもう紙一重だなと思いながらやってます。だからこそ緊張するし、だけどメイクしたいし、その行ったり来たりですよね。

[AO] きちんと、自然をなめてはいけないっていう大切な点に関して、サーフィンをずっとやり続けながらも、緊張感を持続しているっていうことが素晴らしいと思いますね。逆に、緊張感を無くして、漫然としてしまったらそこで命を落としたりとかっていう事にも繋がるんじゃないかとも思いますし。

サーフィンやっている人ほど、自分の小ささを分かっている

[HB] 中にはやっぱりね、少し乗れるようになると、驕りが激しくなって、俺はできるんだ、こんな事できるんだ、俺は凄いんだってふいちゃう人いますけど、そういう人でも、やっぱり最後は自然にやっつけられますから。

[AO] そうなんですね。

[HB] 自然にはかなわないので、例えば口げんかで勝っても波には負けますよ、最後は。だからそういう事を教えてくれるものじゃないかなと思いますけどね。だからやっいてればやってる人ほど分かってると思います、その自分の小ささっていうのは。ビッグウェーブとか挑戦する人って誰もがそうだと思いますよ。

[AO] そうなんですね。周りの方でも驕りの気持ちが出て痛い目に合われたりしてる方もおられますか?

[HB] まぁうちなんかショップですので、メニューとしてサーフィンスクールも、全くのビギナーの方から中級者の方も含めてやってますけども、という事はサーファーが誕生、生まれる所からお付き合いをして成長していく段階ずーっと一緒にお付き合いをして見てるわけなんですけども、今言われたような驕りが発生してくるタイミングっていうのは僕ら良くわかってて、何年かやってちょっと出来ると、必ずなります。いっぱいいます、そういう人。

だけどやればやるほどそういうのは無くなっていくんですけど、中途半端にやってる人ほど、驕りの状態のままいっちゃう人はいますけどね。でやっぱり最終的には、波や自然にやっつけられるか、もしくは人にやっつけられるか、どっかでやっぱり鼻折られますよね。

[AO] なるほどなるほど。

[HB] だけどサーフィンって自分が楽しければいいわけなので、自分が楽しい、自分が出来た、自分は上手いんだ、それを人に言わないで自分の中で片づけてくれればいいと思うんですよ。でもそれを周りにふいちゃうとやっぱり良くないので、そういう人はやっぱり最終的にはどこかで鼻折られちゃうなとは思いますけども。今の質問周りにいますかっていう質問に対しては沢山います(笑)

[AO] そうなんですね(笑)

映画「エンドレス・サマー」
(photo by HOBIE SURFBOARDS)

サーファーとして、社会人として、

[AO] 何か普段思われてることとか話したいこととか有りますか?

[HB] 今言ったようなこと、大きな自然相手でやっぱり人間小さくて、ちょっと出来るようになったからと言って驕りがあるとそういう風になるっていう事は、非常に常日頃思っているので、自分的にはそうなっちゃいけないなと思いながら普段やってますけどね。

後はもう一つ、そうですねサーフショップやってて思っていることっていうのは、サーファーひとくくりで、駄目だ、って言われるのが非常に嫌で、サーファーでも、一般の人でも、いろんな人がいるじゃないですか。何かにつけ悪い話の時にサーファーという表現をされるのが、嫌ですね。

その延長で、人として基本的なことは、しっかりやっていこうと思っています。例えばですが、サーフショップって波が良いと海に行っていて、閉まっていることがあるじゃないですか。

[AO] ありますよね。

[HB] ありますよね。でも僕がモットーにしてるのは、そうじゃなくて、そんな時でも来てくれるお客さんがいて波があるんだから、お客さんが来た時にやってないとやっぱり申し訳ないので、営業時間はちゃんと開けようかなと自分の中では思っています。

[AO] でも、平日の営業時間にサーフィン行かないとなると、お休みの時に行くということですか?

[HB] スタッフと交代で行くとかもできますし、営業時間の前に済ませてくるっていうのもありますし。

[AO] なるほど。

[HB] なんとなくその、サーフィンっていう物をちゃんとしたスポーツというかレジャーというかね、一般的な人でも出来るような物にしたいとも思うので、そういう基本的なことをね、しっかりやりたいなと思っています。

[AO] なるほど、素晴らしいですね。

[HB] 素晴らしいと思います(笑)

HOBIE エンドレス・サマー・モデル
(photo by HOBIE SURFBOARDS)

[AO] 例えばですが、お昼前とかに交代したりとかそんな感じなんですか?

[HB] そうですね、例えば今(5月)なんかだと、もう日の出って4時代じゃないですか。でお店って10時からだから、それまでに何時間もあるわけで、そこでサーフィンすればいいんじゃないかなって思ったりします。もし夕方に凄い波が良くなって来たらね、ちょっと交代で行くっていう事も、もちろんあるんですけど、なんか閉めて行っちゃおうぜみたいなのは、ちょっと自分の思っていることとは反する事かなと思います。

サーフィンとは自分が自分らしくいられるところ

[AO] 最後に井上さんにとってサーフィンっていうのはどういう物か教えていただいても良いですか?

[HB] 一言でちょっと言い表せないですけど、やっぱりサーフィンってただのレジャーでもあり、でもレジャーでもなく、スポーツであり、スポーツではなく、なんかやっぱり、簡単な表現で言ったらライフスタイルなんですかね。ライフスタイルの中で、やっぱり自分が自分らしくいられるところじゃないですかね。自分に戻れるというか。

[AO] なるほど。それも素晴らしい言葉だと思います。

[HB] ありがとうございます(笑)

[AO] 多分そのサーフィンをやっている時が一番充実をされていて、一番楽しめて、ハッピーになれて、一番自分の満足できる状態になれるのかなと言う風に聞いてて思いました。

調子こいてたらやっつけられる、頑張ったら応えてくれる、人生と一緒

[HB] そうですね、満足…なれない時もあるんですね、もちろん。上手くいかない時ってあるじゃないですか。

[AO] そうですね。

[HB] でも、それはそれで、やっぱりサーフィンて特に最初のうちって悩みばっかりじゃないですか。これいいよって言われて乗ってみたら全然乗れないとか、みんなが今日いい波だったねって言ってるのに俺は乗れなかったけど…っていう人もいっぱいいるし、それって何年やっても、頻度は違えど同じで、今日調子悪かったなって日もあるんですよね。

それもすごく、波が悪かったのか何が悪かったのか、自分が悪いのかボードが悪いのか何が悪いのか、悩むもやもやがやっぱりあり、凄い調子良い時に、それがスカッと解決する時があり、なんだろ…なんかね、調子こいてたらやっつけられるし、頑張ったらそれに応えてくれるし、人生と一緒だななんて思ったりしますね。やっぱり調子こいてるとやっつけられるんですよね。

[AO] なるほど。ありますよね。一般的な仕事とか人生でもそういう事は言われますよね。

[HB] ですよね、はい。やっぱり下積みや努力がないと楽しい所まで行けないし。

[AO] 確かに。

[HB] 非常に社会の縮図ですよね。

[AO] 仕事とか人生に通じるものがあるのかもしれないですね。そういう意味だと、努力しないと楽しかったり充実感のレベルまで行けないっていう所も共通してますよね。

[HB] そうですね。あと人は人だし、自分は自分だし(笑)。

[AO] なるほど(笑)

[HB] さっき、人それぞれありますって言いましたけど、本当にそうなんですよね。あの人が良いって言っても、この人には全然良くないっていう物もいっぱいあるし、波も今日良かったっていう人もいるし、良くないよっていう人もいるし、まぁまぁ人それぞれなので、凄い色々な勉強になりますよね。

(インタビューはここまで)

HOBIE CLASSIC MODEL
(photo by HOBIE SURFBOARDS JAPAN)

HOBIEという歴史的ブランドへの熱い思いを持ち、ユーザーや若いサーファーを導く強いリーダーシップを持つ井上氏のインタビューは、示唆に富み、あらためてHOBIEの持つ歴史の重さを感じさせるものとなった。また、HOBIE SURFBOARDS JAPANが有する、魅力的なボードラインナップが、時代を超えて放つ輝きを一望することが出来た。

ホビー・アルターが近代サーフィンの地平を切り拓いた時点から、いくつものDECADE(時代)を超えて、フィル・エドワーズ、テリー・マーティン、タイラー・ウォーレン、そして井上雅昭氏へと、ホビーイズムは連綿と受け継がれている。

片瀬に佇むHOBIE SURFBOARDS JAPANのショップに立ち寄れば、カリフォルニアサーフィンの息吹とホビーイズムを身近に感じられるに違いない。

~HOBIE SURFBOARDS JAPAN 関連情報~

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