~天才シェイパー ダニエル・トムソンのEL TOMO FISH、茅ケ崎のポイントについて~" />

FIREWIRE SURFBOARDS JAPAN
戸塚勇人氏インタビュー Vol.3
~天才シェイパー ダニエル・トムソンのEL TOMO FISH、茅ケ崎のポイントについて~

(Vol.2の続き)

EL TOMO FISHの特徴と天才シェイパー ダニエル・トムソン

EL TOMO FISH
(photo by Firewire Surfboards)

[AO] もう一つ、戸塚さんも使われている凄く良いモデルが有るそうですが、教えていただけますか?

[FW] EL TOMO FISHというモデルのボードで、特徴はよりビーチブレイクや小波向けのボードになるんですけど、一般的な小波ボードと違って、波が上がれば上げるほど、凄い調子が良くなるというか、本領を発揮するボードなんですよ。先ほども少しお話した、シェイパーのダニエル・トムソンっていう凄い特徴的な若手のシェイパーなんですけど、そのシェイパーが作るボードって、そうなんです。

EL TOMO FISHは、このダニエル・トムソンが、ツインフィンとしてリリースされていたEL TOMOという以前のモデルを、クアッドフィンを使い、よりアグレッシブに乗れるように、改良した新しいモデルで、オールラウンドにとても使いやすいボードです。 同じく、ダニエルトムソンによってリリースされ、日本でもベストセラーになりました、EVOというモデルのロッカーを、EL TOMO FISHにも採用しています。このモデルの構造もLFTです。

レールは厚めでレールボリュームが結構有ります。コンケーブは、シングルコンケーブの中にクアッドコンケーブが含まれる、マルチコンケーブボトムデザインになっています。これにより、レールボリュームが有っても、波がボードをリフトしてくれるような作用が有り、非常に動かし易くなっています。

テール形状は、以前のヴァンガードというモデルでも採用されているダブルダイヤモンドテールです。また、サイドにウイングがあしらわれていますので、切り返しがし易くなっています。テールの方のボリュームが大きめになっていることにより、波がトロ目のセクションでも浮力任せに動いてくれます。このダブルダイヤモンドテールは、テール幅は結構あるにも関わらず、使う部分の面積が小さくなっているので、アクションした時の水の抜けがとても良いです。

また、EVOと同じロッカーによって、テイクオフも通常のパフォーマンスボードに比べてかなり早くなっていると共に、EVOよりも回転性が上がっています。これはクアッドフィンのボードなのですが、ダニエル・トムソン自身がクアッドフィンのボードを好んでいて、乗り味が良いように絶妙にデザインしていますので、比較的乗りやすいと思います。

通常のクアッドフィンのボードはルーズさというものがあると思いますけど、EL TOMO FISHではコンケーブを上手くデザインして、波がボードをリフトするように作られていますので、クアッド特有のルーズさというものを軽減してくれています。小波用に使われたい方は、その方の通常のレングスより1インチ大きめで使われることをお薦めします。

(movie by Firewire Surfboards)

[FW] デザインとして、サイドが黒いレールになっていて、内側にピンラインがアソートで、パープルかオレンジで入ります。好きな方を選んでいただけます。黒い中心線の部分には、ハイデンシティフォームという高密度のフォームが内部に入っています。これがセンターストリンガーの代わりに強度を高めています。ボトム側に入っている黒い線はカーボンになっています。

乗れば乗るほど、ボードが自分のポテンシャル以上のものを引き出してくれるようなボードですので、乗っていて凄く楽しいボードだと思います。

[AO] クアッドフィンというと、少し初心者にはハードルが高く感じますが、その中では乗りやすいということで、楽しそうなボードですね。小波から、結構波が立って来ても、幅広くパフォーマンスが出るボードということですね。

[FW] はい、大丈夫です。

[AO] 良いですね。ではビギナーの方からエキスパートの方まで結構幅広く楽しめるボードなんですね。

茅ケ崎は、一旦波が立つと凄いクオリティの高い波が立つ

[AO] 戸塚さんの、普段のサーフィンのスタイルなどについてお聞かせください。

[FW] 平塚の隣の茅ヶ崎ってところに住んでるんですよ。朝起きて、出勤前に波があれば朝一そこで、地元がずっとそこなので生まれも茅ヶ崎なので、そこでサーフィンしてます。

[AO] そうなんですね。どれくらいの頻度で入られてますか?

[FW] そうですね、波があれば毎日入るくらいの頻度です。比較的茅ケ崎っていうのは、そこまでコンスタントに毎日波が有る地域では無いんですけど、一旦波が立つと、やっぱりほかの地域と比べて、凄いクオリティの高い波が立つので、なので波があれば毎日入ってます。

[AO] そうなんですね、茅ヶ崎だとサザンビーチとかに行かれるんですか?

[FW] いや、自分が入ってるのはポイント名で言うと、チサンポイントからチーパー、もしくはパークですね。この辺りをうろちょろしてます(笑)

[AO] そうなんですね(笑)

[FW] 茅ヶ崎のその日のポイントで、波が良い所で乗るようにしてます。

[AO] 茅ヶ崎はいくつかスポットがあると思うのですが、今お話しいただいた、チサン、チーパー、パークで違いってございますか?

茅ケ崎のビーチの波質

[FW] まず、パークっていうところは、スクールやるくらいなので、結構茅ヶ崎の中ではエントリーユーザーさん向けの波が立ちやすいというか、遠浅なんですよ。ただ一旦波があがって地形がよくなると、凄く波が立ちますね。

[AO] そうなんですね、遠浅だとビギナーの方でも安心ですよね。なるほど。あとサザンビーチとかはいかがですか?

[FW] サザンビーチから西浜とかは、年に何回か位しか入らないんです。サザンビーチはあまり入らないんですけど、サザンビーチの隣の白樺っていうポイントがあるんですけど、そこは入りますね。

[AO] サザンビーチとか白樺の辺りは波質は如何ですか?

[FW] 茅ヶ崎の中では、結構沖の地形が深いので、茅ヶ崎の他のポイントと比べるとパワフルな波質です。

[AO] そうなんですね。ベテランの方でもかなりがっつり楽しめる感じですか?

[FW] ベテランの方もいますし、サザンビーチって言うくらいで、やっぱり海水浴場なんで、サザンビーチには結構初心者の方も多いと思いますよ。

[AO] そうなんですね。

[FW] 白樺は裏パークって言うんですけど、この辺りは結構ほかの地域と比べるとパワフルな波になります。

[AO] チサンとかチーパーはどうですか?

[FW] チサン、チーパーはここ最近、この辺りだとコンスタントに一番できるポイントですかね。

[AO] そこにも、戸塚さんは良く行かれるんですか?

[FW] メインはチーパーからチサンにかけてって感じですね。ここ最近。5、6年位はずっとその辺りで入ってます。

戸塚勇人氏
(photo by Firewire Surfboards)

地形を見ながら、基本朝一で行って入る

[AO] そうなんですね。その辺りも結構良い波が立つ感じですか?

[FW] まぁ、そうですね。サーフィンの言葉で「地形」って有りますよね。

[AO] 下の海底とかのことですよね。

※波の状況は海底の形によって、良し悪しが変わってきます。波に影響を与える海底の形のことを、サーフィン用語では、地形と呼びます。

[FW] そうです。地形が季節風とかで変わるので、そこで良くなったり悪くなったりっていう感じで、まぁその日その時間帯で潮とか見ながらやってますね。

[AO] やはり上級の方とかはコンディション見て、良い所見て選んで入られる方多いですよね。

[FW] そうですね、はい。

[AO] 乗られる時はお一人ですか、お友達とかと一緒ですか?

[FW] 基本は朝一で行って入るので、一人が多いんですけど、大体、その普段入っている所だと知り合いの方が結構いるので…。

[AO] そこで、ちょっとご挨拶とか、歓談されながら楽しんでいるような感じですかね。ボードはショートですか?

[FW] はい。ボードはショートボードです。

[AO] よく乗られているFirewireのモデルを教えて下さい。

[FW] 今は、先ほど説明したEL TOMO FISHに良く乗っていますね。

好きなことを仕事にしている

[AO] 普段、お休みの時とかはどういう感じで過ごされてますか?

[FW] もちろん、波があれば波乗りに行きますし、波が無ければ、家族もいるので家族サービスしてます(笑)

[AO] 最近、何か思われたこととかございますか?サーフィンでもサーフィン以外でも結構なんですが。例えばサーフィンに乗ってて感じることや、思った事があれば。好きなことでも結構なんですけど。

[FW] 好きな事…なんか、今好きな事仕事にしちゃってるので(笑)

[AO] なるほどなるほど(笑)

[FW] そうなんですよ(笑)すごい贅沢なんですけど。サラリーマンの方とかだったら、毎週月曜日から金曜日まで頑張って、土日にようやくサーフィンできるっていう感じだと思うんですけど、自分はありがたいことに、毎日海に入ろうと思えば入れる環境ですので、仕事に対しては凄いありがたいなと思ってます。趣味が仕事と言っても良いかもしれません。

上手くいかないことが殆どだけど、自分に活力を与えてくれる

[AO] 戸塚さんにとって、サーフィンってどういう物になりますか?

[FW] 今まで、なんかいろんなスポーツとか、勉強なり色々してきたんですけど、常にこうサーフィンでは…、波に乗るっていう事が、何一つ同じ波は無いので、凄い勉強させられるというか…。上手くいかない時が殆どなんですけど、サーフィンしてると、まぐれって起きるじゃないですか。その時に、凄いアドレナリンが出て、サーフィンやってて凄い面白いなって思うんです。なんていうんですかね、より自分に、こう活力を与えてくれる存在という感じですかね。

[AO] サーフィンをやる事で元気が貰えて、「よし、仕事も頑張ろう」みたいな感じでエネルギー補充してくれるような。

[FW] そうですね、はい。リフレッシュできるような感じです。

もっとみんな海で遊んで欲しい

[AO] ウェブマガジンAOは、自然がテーマになっているんですが、海や自然に対して、感じられる事とか思われる事が有りましたら、教えて頂いてもよろしいですか?

[FW] そうですね、最近というか、海の浸食自体が全国的に進んでいて、サーフィンっていうマリンスポーツしてるんですけど、年々、砂浜自体が少なくなっているので、自分が子供の頃にサーフィンしてた時より、浜がだんだん狭くなっちゃってるんですよ。今の子たちってそんなに、最近はコロナで海に来る人が増えているような感じになってますけど、全然海で遊ぶ機会が少ないかなと思うので、もっとみんな海で遊んで欲しいかなと思いますね。サーフィン以外でも。

[AO] そうして、海で遊ぶ人が増えると、またその環境の変化にも気が付くようにもなるかもしれませんしね。

[FW] そうですね。話ずれちゃいましたね(笑)

[AO] いえいえ、全然そんなことないですよ。やっぱり砂浜が少なくなったり、消失しているという変化のことを、気にされている方は、私もインタビューさせて頂いていて多いです。海岸や砂浜の保護とか、もう少し行政とかにも取り組んで頂きたいなと思いますよね。

(インタビューはここまで)

Sci-Fi 2.0のバットマンのようなテールや、卵のようにまぁるい印象のSEAWOLFなど、ユニークな形状でありながら、卓越した性能を有しているという点を見ても、Firewireのサーフボードには機能美が溢れている。HELIUMやLFTのボードラインナップは、クラシックボードとは対極的な位置にある存在と言えるかもしれない。ティンバーテックを使ったモデルは、外見はクラシカルな雰囲気を醸し出しているものの、実はハイテクという意外性が面白い。

Firewireのボードを見ていると、メカ好きの男の子が目を輝かして、自動車や飛行機を眺めるような、実に楽しい気分になる。それでいて、Firewireは環境保護にあらゆる方策を講じていて、この星の美しい自然を保つのに貢献している。今回、Firewireのテクノロジーをご紹介いただいた戸塚氏は、波が有る時は常に海に入りFirewireのボードをチェックしながら、実はサーフィンを心から楽しんでいるという、誠実で”In Seventh Heaven”なサーファーだった。

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