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OGM SHAPES
小川昌男代表/元JPSAプロインタビュー Vol.1
~マジックボードの作り方~

選手時代にはライダーとして活躍し、JPSA全日本ショートボード部門最高2位と、日本のサーフシーンをリードして来た小川昌男氏。Dick Brewer SurfbordsやSailboards Maui にてシェイパーを経験した後、自身のシェイプブランドOGM SHAPESを設立した。また、20年以上、JPSA/WSLのプロツアーにてジャッジ業務に従事、日本におけるヘッドジャッジも担当するなど、サーフィンの大会運営にも貢献して来た。

ユーザーとの厚いパートナーシップと、ライダー/シェイパー/ジャッジの豊富な経験、ロジックのバックグラウンドを基盤として、サーフィンから、ウインドサーフィン、SUPまで幅広い領域で数々のマジックボードを製作し、JPSAプロを含む幅広い分野のコンペティターの活躍を支えて来た。 2020年、日本におけるLightning Boltの再起動に伴いシェイプを担当する。復活する稲妻に、 熱い想いと共に息吹を吹き込む。

<小川昌男氏 選手時代の実績>
1979年 JPSA 全日本プロ 3位
1981年 JPSA 全日本プロ 5位
1982年 JPSA 全日本プロ 2位

<小川昌男氏シェイプのボードを使ったライダーのコンテスト情報>
大澤伸幸プロ 2010年 JPSA グランドチャンピオン
ジュリアン ホプキンス氏 (LONG) 2018年JPSAプロ公認
荻本海氏 2020年スリルジャンキー 優勝
坂本應尚氏 2019年 NSA全日本 優勝
野村颯氏 (SUP) 2018年サンセットビーチプロ出場、2019年ISA世界戦エルサルバドル出場
小熊明美プロ (LONG) 2013年 ASP LQS 優勝
原田俊広氏 (SUP)2013年 SUP全日本 優勝
鈴木啓三郎プロ (WIND SURF)1996年 スピードトライアル日本記録樹立

(インタビューはここから)

OGMのサーフボード
(photo by OGM SHAPES)

ユーザーにピッタリのボードを作ること

[Web Media AO, 以下AO] OGMのサーフボードの性能面ですとかデザイン面における特徴ですとか、強み、一番優れている点について、聞かせいただけますか。

[OGM] はい。先ず、基本的な性能は他メーカーと比べて遜色なく出来ていると思うんですけれども、僕の一番の売りというか、一番大事にしてるところは、ユーザーにピッタリのボードを作る事なんですよ。

[AO] はい。

[OGM] サーフボードの、今言った基本性能はもちろん重要なんですけども、サーフボードって、そのサーファーに合ってるかどうかっていうのがもっと重要だなと思ってるんです。

[AO] はい。OGMのミッションというか理念として、お客様とパートナーになることを大切にされているということなんですよね。

小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)
[OGM] そうです。だからそのためにかなりのボードオーダー、僕の場合98%ぐらいがカスタムオーダーボードなんですけども、そこの部分で凄く時間を使ってます。例えばライダーのビデオを送ってもらったりですとか、直接話をするのが苦手なユーザーの方は、サーフショップのオーナーさんが、このサーファーはこういうサーフィンするんだというような部分のヒアリングをサポートしてくれます。そういった形で凄く長く綿密にユーザーの方とお話します。OGMの場合は、直接販売よりもサーフショップ経由が多いので、必要に応じてサーフショップさんもコミュニケーションに入っていただいています。

[AO]サーフショップの方からのヒアリングも、ボード製作に活かされているんですね。

[OGM] あるいは、そのサーフショップにユーザーの方が来てるタイミングで、その方に電話を代わってもらったりすることも有ります。そうして、直接お客さんと話したりしますね。この店に来られるユーザーの中には、かなり遠くから 来ていただいている方もおられるんですよ。名古屋の方から来る方もいらっしゃいますし。そういうユーザーの方には、極力サーフボードを持ってきてもらったりとかしていますね。ユーザーの方もそういったことはよくご存じで、サーフボードと自分のビデオを持って来て、会話をする、そういう感じで作ってますね。

[AO] やはりボードを作る上での、作り手側とユーザー側のコミュニケーションって凄く大切なんですね。

小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

コミュニケーションが自分にとって凄く重要

[OGM] そうですね。実際に僕はシェイパーなので、例えばそのボードを持ってきてもらって、ライディングの動画が一本あれば、大体分かるんですよ。少しテイクオフの早いボードが合ってるなとか。どんなライティングでもいいんですけども、普通にこれテイクオフもうちょっと早くするとこの人はもっと上手くなれるなとか。

だけどボードがないと、どの位のボードを作って良いかが想像つかないので、実際にユーザーの方が使われているボードの情報が有って、映像でのそのユーザーの方のライディングの様子を見させていただくと、その方により合ったボードは、こういったボードだということが、もうすぐに分かりますね。

だから、そのコミュニケーションということが、凄く自分にとって重要だと思ってます。そのサーファーの方にとって良い板を作るためには、今乗ってるボードっていうのが、僕にとっては凄く大事な情報なんですよ。

[AO] なるほど。そこを基準にして考えられているんですね。

[OGM] そうですね。それが有るのと無いのとでは、すごく違いますね。
小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

流体力学は本当にベーシックな部分

[AO] 流体力学ですとか、そういった技術面もかなり研究をされていて、非常に高い性能のボードをお作りだというふうにお伺いしてるんですが。

[OGM] 実際には、流体力学っていうのは、本当にベーシックな部分なんです。例えば、陸上で物落とせば、ニュートンの力学に沿って物が落ちるという物理的な法則が有るわけじゃないですか。そういうベーシックな部分であって、実際にサーフボードという物はいろんな使われ方をしますので、全て流体力学で当てはめるわけにはいかないんですね。実際想定した方向から水なんか、ボトムの下に入って来てくれませんので。例えば、オフザリップしてる時なんか、まともに水面を走ってないわけじゃないですか。

[AO] あぁ、そうですね。

[OGM] もちろん、エアリアルなんていうと水から離れてしまってるわけですし。ただ、凄く後にそのバックグラウンド的に流れる重要な法則が、流体力学だったりあるいは運動法則だったりするんだと思います。そこの部分は、実際に僕も大学で凄く勉強してますので、サーフボードを作るにあたって、かなりベースになっている部分ではあります。
小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

[AO] 大学ではどういった専攻されてらっしゃったんですか。

[OGM] 僕はですね、化学科なんですけども、入学するのに物理が凄く比重の大きい学部でしたので、高校の物理学での授業や受験勉強、それから大学でも物理学系の授業を受けました。化学の方も、サーフボードの素材の方で、割と化学的な知識が使われてるんですよ。ウレタンだったりポリエステルの樹脂だったり、あるいはエポキシの樹脂だったり、そういった部分で、大学で学んだ化学も役立っていますね。

OGMで使うサーフボードの材質

[AO] なるほど。OGMのサーフボードの場合は材質的にはどういったところを使われているんですか。

[OGM] 材質は一般的なものと変わらないです。ウレタンフォームにポリエステル樹脂で巻いたタイプと、あと軽く作るのは、皆さんご存知のEPS。発泡スチロールにエポキシ樹脂を使った物ですよね。

[AO] 一般的なPUとEPSということですね。

[OGM] そうです。
小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)
[OGM] 後は、ストリンガーの素材とかで少し違う物を使ったりしてますけど。ストリンガーは通常は杉の木(バスウッド)を使うんですよ。一番ポピュラーな素材ですね。殆どのボードのストリンガーはバスで出来ていると思います。それに対してOGMではちょっと柔らかいポプラを使ったりとか、その他には、ノーストリンガーというのも有ります。ストリンガー外したタイプですね。それとか、ハイデンシティフォームって言って、硬質のウレタンなんですけども、それをストリンガーの代わりに入れてるフレックスが良いものっていうのも有ります。

[AO] ストリンガーにしても、様々な工夫をされてるんですね。その他に特徴は有りますか?

強度が有って硬く無いボードを作るのが目標

[OGM] 基本的には、ボードを作る目標としては、強度が有って、硬く無いボードを作ることを目指してますね。硬く無いっていうのは、表面的に材質的に「硬く無い」という意味ではなくて、しなやかなボードを作りたいという意味です。

[AO] フレックス性ってことですよね。

[OGM] そうですね。丈夫にすると、どうしても硬くなってしまうので。そこが今、相反する部分で、結構いろんなことを試してる状況です。

[AO] 堅牢で割れたりしないように、強度を持たせながら、フレックス性を失わないようにしたいっていう形ですかね。

[OGM] そうです、そうです。難しいですね凄く。まだまだ全然、自分が作ってるものが完璧だとは思えないですね。
小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

効率良く揚力を受けるボードを作る

[AO] そうなんですね。あと、揚力/効力比が高くて、効率の良いボトムデザインっていうのが、生涯的なベースコンセプトだという風なこともお聞きしたのですが…。

[OGM] そうですね、実際にサーフボードって、僕の体重が70キロあると、サーフボードのボリュームってだいたい普通のショートボードだったら30リッターまでないんですよ。25、6リッターとか僕なんかが使ってるボードって。そのくらいしかないので、要するに、浮力的には25キロしか物を浮かばせられないってことなんですよね。

それを後残りの50キロ浮かせてるのは何なのかっていうと、走ることによって生まれてる揚力なんで、それはボトムが水から受ける力なんですね。だからこれを例えば浮力と揚力の合計で70キロの体重を浮かせてるんだとすれば、要するにそれらの比率でボードの特性が決まってくると思ってます。

例えば、浮力にあんまり頼りすぎると、ボードはどんどん大きくなっていっちゃうんですね。揚力っていうのは、水からの抗力で生まれる物なので、なるべく効率良く揚力を発生できるボード、揚力抗力比の高いボードを作れば、コンパクトなボードで、大きな体重を浮かせられるボードを作れるっていうことですよね。その効率の良いボードを作ることが自分のベースの目標だと思ってます。

小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

セイルボード日本最速記録

[AO] セイルボード日本最速の記録を樹立されていますが、そういった経験もやはり活かされてるんですよね?

[OGM] そうですね。あれは面白い競技でしたね。あの競技は真っすぐ走るだけなんで、ライダーの要素があんまり入らなくて、純粋にボード(セイルボード)の性能だけで決まるのかなと思って、取り組んだんですけども、実際のところは、ライダーの技術がとても大きく影響することが分かりました。あの記録を出してもらった鈴木啓三郎さんというプロウインドサーファーの方なんですけど、彼の技術が有ったからこそ記録を達成出来たのだと思っています。(笑)

[AO] 真っ直ぐボードを走らせるにしても、ライダーの技量も大切だったんですね(笑)とはいえ、もちろんボード性能も良かったので記録に繋がったと思いますが。

[OGM] やっぱりライダーの能力の部分が大きかったと思います。僕としては凄くやりがいのある仕事だったんですけどね。
鈴木啓三郎 氏
(photo by OGM SHAPES)

[AO] それは記録にチャレンジするっていう、何かプロジェクトみたいなものだったんですか?

[OGM] あれは、時代的にウインドサーフィンが全盛時代だった時で、そのときに水の上で動力を使わない、要するに世界最速のクラフト、物は何かっていう競技なんですよ。それでそれまでクロスボウっていうヨットだったんですけど、それが記録を持ってたんですね。それをですね、ウインドサーフィンのボードが、僕もかなり影響を受けたジミー・ルイスっていうシェイパーなんですけども、彼の作ったスピードボードが、そのクロスボウの記録を抜いちゃったんですよ。

[AO]  ウインドサーフィンのボードが記録を達成したんですね。

[OGM] 時速80キロ超えてたと思いますけど。それで、時代的に、一挙にウインドサーフィンがその水上でスピードを競う競技の世界に流れ込んだんですよ。そうするとやっぱり、自分のウインドサーフィンのボードの先生なんで、ジミー・ルイスは。そうすると彼が競技をやっていたので、やっぱり自分もやりたくなってくるじゃないですか(笑)

[AO] あぁ、なるほど(笑)

OGMのウインドサーフィンボード
(photo by OGM SHAPES)

世界記録にはちょっと足りなかった

[OGM] それで、カナリア諸島っていって、イギリスの真下ぐらいの方にあるのかな。そこにある所で、その競技に凄く適した場所があるんですよ。オフショアが強くて、オフショアだと波の面が荒くならないじゃないですか。カナリアアイランドっていう、波打ち際、背中の陸側にあんまり高い建物がなくて、波が平らで風が強く吹く、良い場所があるんですね。

[AO] カナリアアイランド…西アフリカの方ですか?

[OGM] 西アフリカですね。カナリア諸島とも言いますね。僕が行ったわけじゃないんですけど、ライダーが行ったんですけど(笑)

※カナリア諸島:アフリカの北西付近にあり、7つの島々からなる群島。大西洋のハワイとも呼ばれる。

[AO] そうなんですね、小川さんは行かれなかったというのは残念ですね(笑)

[OGM] 世界の記録にはちょっと足りなかったんですけど、一応今まで持ってた日本の記録は抜いてくれて。

[AO] 凄いグローバルで楽しい活動ですね。

[OGM] 凄くありがたい話です。良い宣伝になりました。
小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

スピードとコントロール性能のバランス

[AO] 面白いですね。今でもウインドサーフィンのシェイプもされていらっしゃるんですか。

[OGM] いや、もうこの何年もやってないかな。もうね、ウインドサーフィンの板って、やっぱりジャンプとかするじゃないですか。それで、軽く丈夫に作らないといけないんですよ。そうするとね、このハンドシェイプのように、内側から作っていくタイプよりも、どちらかっていうとシェルって言って型を使って外側から作っていくタイプの方が合っているんじゃないのかな?

軽くて丈夫なボードが作りやすいっていうか、わりに軽さが重要になってくるので。僕、結構削ったんですけども、だから今言った理由で、恐らくカスタムボードっていうのが無くなってきてるんじゃないかな、ウインドサーフィンでは。でも、とにかくそのスピードトライアルに関してはね、スピードトライアルっていうとやっぱりコンケーブを深くしたり、ロッカーを弱くしたりとかっていうこと、要するに、速く走るための要素をどんどん詰め込んで行くんだけど、コースの長さが500mあるので、風が弱い箇所とかもあるんですよ。

そこでスピードがなるべく落ちないような効率の良いボトム作ったりとか、そうやって作っていくんですけど、平に作れば作るほど、ライダーがボードをコントロールし難くなるという相反する問題が出て来るんですよ。だからそうすると、ライダーがコントロールし易くするためには、ちょっとロッカーをつけてあげないといけなかったりとか、あるいはコンケーブじゃなくて、ちょっとだけVeeをつけてあげたりとか、そういう部分で、ちょっと何かしらスピードと相反する、コントロール性能に関する要素を入れてあげないと上手く走れないんですよ。その辺がやっぱりスピードトライアルではすごく勉強になりましたね。

小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

[AO] そういったスピードとコントロール性能の両立といったことはサーフィンのシェイプにも活かせそうですよね。

[OGM] もちろん全然役に立ってます。全てのベースです、これは。やはり単純な競技ほどベーシックなデータが入るじゃないですか。だから、凄く役立ってます。

自作のシェイプマシン

[AO] あと、スーパーフォイルっていうシェイプマシンの、プログラミングを作られたとお聞きしましたけど…。

[OGM] BASICっていうプログラム言語で書いて作ったんですけどね。

[AO]今も使われてるんですか?

[OGM] いや、もうね、この5年前ぐらいから使ってないですね。もっとね、今は良いシェイプマシンが出来上がってます。プロが作ると僕なんかが作った、要するに自分で作ったものよりも性能が良いんですよ。だからもうそっちを使ってますね。
小川昌男氏
(photo by OGM SHAPES)

新しいものを作るんだったら間違いなくハンドシェイプ

[AO] かなり初期の頃からマシンシェイプを導入されてたんですね。今マシンを使われているのは、プリシェイプとしてですか?

[OGM] ええ。プリシェイプです。

[AO] ではそちらで大枠を仕上げて、その後ハンドシェイプで仕上げるような事が多いんですかね。

[OGM] 大枠って言っても、今のシェイプマシンは殆どもう完成のところまで仕上がってくるので、そこから先は本当に細かい傷を取る程度なんですよ。マシンシェイプではある程度完成されたボードに微調整を加えるのには優れています。ただまったく新しいデザインのボードを作り出すには、何か感覚的じゃないんですよね。要するにコンピュータの画面の中で作っているため、大きさとかのリアリティーが無いんです。情報量が少なすぎるんです。それがやっぱり実際にハンドシェイプすると、目の前に出来るわけですよ立体が。シェイプルームでは、ボードをいろんな角度から見ることも可能で触れて感じることができます。シェイプマシンのソフトウエアでも、結局3Dだとかで見えるんだけども、何か子供騙しで、小さいから。お客さんを喜ばせるのには良いのかもしれないけど、なんか全然自分にはプラスになってないなみたいな感じです(笑)
シェイプマシン画面
(photo by OGM SHAPES)
[OGM] なんかやっぱりこの目の前にあるのと、要するにPCの中で作るのとでは、情報量が違うんで、僕は新しいものを作るんだったら間違いなくハンドシェイプだと思ってるんですよ。

[AO] なるほど。では、既存の形状、もう形が決まっているものを作る分にはマシンシェイプを使うという形ですか?

体重も身長も同じ人でも答えは違う

[OGM] そうですね。ただサーフボードって本当に1本1本違ってて、要するにAっていうお客さんに、この板が最高だって思えるボードが、体重も身長もぴったり同じBっていうお客さんが同じ板乗って、同じ評価は出ないんですよ。

[AO] 筋力だとかいろいろありますもんね、違いが。

[OGM] あと、癖とか、…身長と体重以外の要素も多くて。そうするとね、やっぱり何か答えが何かそんなに一つに決められないなっていうのが。
FISH CHIPS
(photo by OGM SHAPES)

[AO] 1人1人違っているお客様に対して、マシンシェイプとハンドシェイプでは実際にはどういう風に使い分けていらっしゃるんですか。

[OGM] 実際には、その場合はほとんどハンドシェイプで対応してます。僕の場合はマシンシェイプの方が値段が安いんで、どちらかっていうとあんまり会えない人とか、そういう遠くにいる人とかをベースに使ってますね。

[AO] なるほど。

[OGM] 遠くにいる人に対してはマシンは割と有効で、前回この板が作ったっていうのは、レールのフォイルまでちゃんとコンピューターの中にありますので、ちょっとここ厚かったって言えば、じゃあ次の板ここ3㎜落とすねとか、そういうことは出来ますからね。
Classic
(photo by OGM SHAPES)

[AO] そういう意味ではあれですかね、初めてお客様になられる方は、ハンドシェイプでということですか?

[OGM] でもまぁそれでやってると、ずっとハンドシェイプのまま行っちゃうんですけどね、実際は(笑)

[AO] なるほど。では、あまり詳しい情報を取れないお客様とかですか?

[OGM] そうですね、あと例えば僕の板に載ってるプロライダーと同じ板が欲しいとか、そういう人には良いですね。ただその人がだからその板に乗って、ベストかっていうと、ちょっとそこら辺は怪しいなって気はしてます。
Performer
(photo by OGM SHAPES)

楽しくて快適なボードを作りたい

[AO] この先何か目指してるものとかございますか。

[OGM] ちゃんとしっかりと、新しいデザインはやっぱり取り入れていかないといけないなと思ってまして、ただそれをただ単に流行っているからっていうんじゃなくて、ちゃんと消化して、取り入れたいなと思ってます。

コンケーブにしろ、チャンネルにしろ、なんかいろいろ新しい種類の物ってどんどん生まれるじゃないですか。それもあんまり簡単に飛びつくだけじゃなくて、ちゃんとその裏にある意味を考えないといけないと思いますね。

[AO]なるほど。

[OGM] 実際には、楽しくて快適なボードを作りたいですね。

[AO] なるほど。それが一番ですよね。やっぱり本質的にはサーフィンって凄い楽しいもので。

[OGM] そうですね。やっぱりいくら今僕が講釈並べていろいろ言っても、乗りにくければ話にならないし、その人がやっぱり楽しいと思えるボードがやっぱり一番合ってると思うんですよ。そういうボードを作りたいですね。

(Vol.2に続く)

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